発展型という新発想が光る、住宅用パワーコンディショナをニチコンが発表した。蓄電池導入やEV購入を見据えつつ、まずは太陽光発電から始めたいというニーズに最適だ。省スペース設計とも相まって、都市部での活用にも期待がひろがる、同製品の魅力に迫る。
電気料金の値上がりが続くなか、太陽光発電システムを設置して、自家消費をしたいと考える家庭が増えている。同時に、東京都や川崎市のように自治体による設置義務化の動きも拡がっており、住宅用太陽光発電導入の機運は近年になく高い。
以前と違うのは、ここに蓄電池と電気自動車(EV)が、密接に関わってきていることだ。どうせ自家消費をするなら蓄電池も入れたい」、「せっかくなら太陽光の電気でEVを走らせたい」。そんなふうに思う家庭は少なくない。
しかし、すべてを同時に導入するには、コスト面をはじめ、まだまだハードルが高いのが現実だ。結果として、「まずは太陽光発電から」というケースが目立つことになるが、「いつかは蓄電池も」、「乗り換えるならEVに」と思い続ける人は多い。
こうしたニーズにぴったりなのが、ニチコンが先頃発表した「発展型太陽光パワーコンディショナ」だ。“発展型”とは、同製品を軸にしたシステムを、いろいろと発展させることができるという意味。具体的には、蓄電池もしくはEV、あるいはその両方を、後から簡単に連携することができる。そのパワコンは、将来的に蓄電池やV2Hと繋がることを想定した仕様になっているので、余計な手間をかけることなく、最小限のコストでシステムを拡張することが可能なのだ。
まずは、ソーラーパネルとパワコンでスタートし、昼間の電気を太陽光発電で賄う。後から同社の蓄電池ユニットを追加すれば、自家消費率が向上し、停電時の備えにもなる。EVを購入し、V2Hシステム「EVパワー・ステーション」を追加すれば、EVバッテリーを家庭用の大容量蓄電池としても活用できるようになる。しかも、その都度、コストを抑えて無駄なく追加導入できるのが嬉しいところだ。