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シリーズ「太陽光義務化元年」屋根設置は12円 FIT・FIP買取価格が決定
2024.11.11

経済産業省は3月24日、2023年度以降の再エネのFIT制度とFIP制度買取価格と賦課金単価を公表した。10キロワット以上の事業用太陽光発電については、今年10月から新たに「屋根設置」区分を創設し、低圧事業用も含めて買取価格を「地上設置」より2~3割高い12円/kWhと決めた。

今年10月に
屋根設置区分を新設

事業用の屋根設置は地上設置より2~3割高く買い取り

経済産業省は3月24日、2023年度以降の固定価格買取制度(FIT)の調達価格、フィード・イン・プレミアム(FIP)の基準価格を決定し公表した。2023年度における太陽光発電の調達価格・基準価格についてはすでに決まっており、一定規模以上は入札制、連系出力50キロワット以上入札対象未満は9.5円/kWh、10キロワット以上50キロワット未満で地域活用要件に適合した案件は10円/kWhとなっている。

新たに決まったFIT制度における2024年度の買取価格は、入札対象外の住宅用太陽光発電(10キロワット未満)を16円/kWhとして2023年度と同価格とした。10キロワット以上の事業用太陽光については、2023年10月から新たに「屋根設置」区分を創設し、調達価格を12円/kWhとした。「屋根設置」を促進するため、「地上設置」よりも2~3割高く設定している。

事業用太陽光発電の「地上設置」は10キロワット以上50キロワット未満が10円/kWhで2023年度と同価格としている。50キロワット以上は9.2円/kWhで2023年度から0.3円引き下げた。陸上風力発電(50キロワット未満)は2024年度が14円/kWh 、2025年度が同13円と1円引き下げた。50キロワット以上については入札で決定する(上限価格は15円)。地熱発電と中小水力発電、バイオマス発電(入札対象外)については、2023年度の価格を据え置いた。

再エネ賦課金
大幅に減額

再エネ賦課金は制度創設以来、初めての減額

また、経済産業省は再エネの普及のため電気料金に上乗せしている賦課金を、2023年度は1キロワット時あたり1.40円にすると発表した。2022年度の同3.45円から2.05円引き下げた。2012年の制度創設以来、初めての減額となる。月400キロワット時を使う標準家庭で、4月の電気料金から月平均820円の負担軽減となる。

賦課金は、再エネ電力の固定価格買取制度(FIT)の費用などに充てるため、電気料金に上乗せされている。2012年の導入開始時は1キロワット時あたり0.22円だったが、その後増え続けた。賦課金は、再エネ電力を送配電事業者が買い取る費用から卸電力市場に売電して得る収入を差し引いた金額をもとに、経産相が年度ごとに金額を決定する。

経産省では、ウクライナ侵攻に伴う燃料価格の高騰で、市場取引される電気の価格が上昇して再エネ事業者の販売収入が増えたため、初めての減額となったと説明している。